「アイアムアヒーロー」完結でゾンビもののオチのつけ方について考える
結論はないですし、最終的には好みでしかないので、どうということはありませんが、「アイアムアヒーロー」の最終巻を読んで、ゾンビもののオチのつけ方について改めて考えてみました。
オチを考えるので、ネタバレ満載です。
全員やられちゃうパターン
「サンゲリア」なんかは確か全員がやられちゃって、一方その頃ニューヨークみたいな都会でも惨劇が起こりつつあるよ…!みたいな終わり方だったように思います(記憶あいまい)
友人がゾンビになったら、君は殺せるか!?という王道もここに入っております。
「バタリアン」も、最後はちゅどーん!まるごと爆破されます。
ロメロ監督の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」も確か登場人物ぜんぶやられたような。
とりあえず生還するパターン
ゾンビ映画の父、ロメロ監督の「ゾンビ」がそうであるように、一つのドラマの一部始終として「とりあえず生還」がありますね。
ホラーの王道だとも思います。
ヘリで遠くへ逃げ去る主人公。
あっ、「アイアムアヒーロー」のヘリコプターは「ゾンビ」へのオマージュも入ってるのかしら。
「ドーンオブザデッド」も、モールで過ごした連中がバスでワーッと脱出して、ヨットで桟橋から何とか逃げてエンドロール。
しかしヨットでも燃料や食料が尽きて…やっと辿り着いた島?も結局ゾンビだらけでした…!という、一転「全員やられパターン」でした。
「28日後…」も確か政府の助けが来ます。これもヘリだったなあ。
完全に解決するパターン
コメディですが「ショーンオブザデッド」は政府が助けに来てくれて、なおかつ、ゾンビ化してしまった友人との共同生活も上手くこなします。
「ワールドウォーZ」は主人公が元国連のスゴイ人で世界を股にかけてゾンビの謎を解明して世界を救っちゃいます。
ここでのゾンビウイルスは、他の予後不良な病気に罹っている人間には襲い掛からないっていう特性があって、それを主人公が発見します。
で、「アイアムアヒーロー」は
「アイアムアヒーロー」は、「生還するけど解決がちょっと弱いパターン」なんだと思います。
主人公が普通の男であるために、結局ZQNが何だったのか、クルスの存在も分からないし、3.11の地震が起こっても被害の規模についても知り得ない。
というリアルをそこだけ追求したんだろうなあ…英雄、一度は「あっち側」に飲み込まれて、集合意識みたいなものに一瞬は触れているのになあ。。
きちんと考察したわけじゃないので私が取りこぼしていることもありそうですが…
終末モノの漫画としては「ドラゴンヘッド」が思い当たりますが、あっちは「あーこれ色んなこと説明する気がないな!」と思わされて、風呂敷の畳み方よりもどんな大変な状況に中学生が飲み込まれていくかっていう面白さがメインだったように思います。
「アイアムアヒーロー」は、途中まですごくそういう意味ではワクワクしました。
完全にオチをつけるためには、なぜゾンビになるのか、どういう対処法をとるべきかの説明がしっかりしないといけないわけで、そうなるとホラーというよりSF感が強まってしまいます。
そういう意味では怖さはだいぶん減ってしまうのだけど、私は「ワールドウォーZ」がけっこう好きです。
あと「アイアムレジェンド」もすごく好きです。
「アイアムアヒーロー」の巨大ZQN沈黙後の世界を読んで、「アイアムレジェンド」をもう一度見たくなった次第です。
今夜のホラー考まとめ
説明してほしい!というモヤモヤと説明しないから怖い!のラインが分からない…
ホラーって難しいんですなあ。。
そういう意味では、映画版の「アイアムアヒーロー」は「ただのゾンビ映画」としてめっちゃ良くできてたと思います。