「ゾンゲリア」泣かせるし謎解き感あるしでかえって新鮮なゾンビもの
監督はゲイリー・A・シャーマン。
1981年米公開、94分。
「バタリアン」が有名なダン・オバノン氏が脚本を手がけた一味違うゾンビモノということで見てみました。
原題は「DEAD&BURIED」。死んで埋葬されて?。
とにかく邦題がひどくてかわいそう。
ルチオ・フルチ監督の「サンゲリア」、ロメロ監督の「ゾンビ」があったからのようですが、それにしたって監督もテイストも全然違うし (*ω*)
あらすじ
テキサスの田舎町の保安官が、ある殺人事件を追及。検死官にして葬儀屋の男が、死体の美化蘇生に見入られ、殺しては墓をあばきゾンビに仕立てていることが判明する。だが時すでに遅く……。監督に「ザ・モンスター」のG・A・シャーマン、脚本に「エイリアン」のD・オバノン、そして特殊メイクに「ターミネーター」のS・ウィンストンという、通好みのスタッフが手掛けたゾンビものの怪作。
引用元:Amazon CAPTCHA
あらすじがネタバレしている…。。
死人が普通に暮らしてる、という恐怖の方がメインの映画なんだとは思いますが、何か恐ろしい秘密を持っている町が怖い。
日本でも「ここから先、日本国憲法通じません」的な村や集落の存在があるとかないとか、そういう怪談はたくさんありますが、怖いと感じるのは万国共通なようです。
表面上は穏やかに暮らしている人たちから発せられるただならぬ雰囲気がよく出ていて、B級ホラーのカテゴリに入れるのがはばかられる、じっとりな怖さ。
サスペンス感がとても良かった!
さっきこの人殺されてたよね?という人が何気なく町に溶け込んで日常を明るく送っている…というのがベタに恐ろしい!
そのカットもほどよく説明的で、でも「はい、ここで怖がってー!どどーん!」というワザとらしさはないという距離感がとても気持ち良かったです。
あ〜、この人もいかれちゃったか…ゾゾーッ!くらいの感じ、あんまりアメリカ人っぽくなくて良いなあと思ったりしました。
緩急つけるグロ表現っていいなあ
畳み掛けるようなグロ表現で波状攻撃しかけてくるような作品にも圧倒されたりするのですが、この作品の、静かなシーンが続く中で突如入るグロなシーンがなかなかにイイ(o´▽`o)
グロいシーンの数はそんなにないのですが、そういう心の準備が出来てないところに、「おめめちゅっくん!」とか「鼻に酸注入~~」とか。「うわー!痛い痛い!」と声が出てしまいました。
当然CGじゃなく、人形を使ったりしていてそれもまた私好みでした。実写の特撮って何であんなにグッとくるんだろうか…。
現在むしろ主流の感染系ゾンビではなく、儀式(処理)を経て死人が動き出すという古典的なブードゥー教的ゾンビ。でもちゃんと生活を営めるくらいハキハキしてるし自立してる。
定期的なメンテナンスが必要なのは「永遠に美しく…」とも共通しています。死んでるとやっぱり細胞の生まれ変わりはしないんだなあ。食事にまつわる会話やパブのシーンもありますが、ゾンビが食事をしっかりしたらトイレとかちゃんとするのかしら?とか素朴な疑問も湧きますが、そこはロマンです。
今夜のホラー考まとめ
ゾンビがこんなちゃんと動けて意思があると死ぬってなんなん?となる。哲学感じました。