今夜もぼちぼちホラー考

今夜もぼちぼちホラー考

ホラージャンルの映画やドラマ、小説や怪談話など、「怖い」を自分なりに考えるブログです。ネタバレせずに書く自信ありません、ごめんなさい。落書きも劣悪でごめんなさい。

「八仙飯店之人肉饅頭」「冷たい熱帯魚」実話系スプラッタおっさん映画まつり

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冬になると肉まんが食べたくなりますね!

というわけで笑、「八仙飯店之人肉饅頭」を初めて見てみました。

でんでんさん、何度も描き直したけど全然似せられない(x_x;)あきらめました。

実話系殺人鬼つながりで「冷たい熱帯魚」も再鑑賞。

 

ザツいスプラッタおじさんフロムマカオ

1993年香港公開、96分。監督はハーマン・ヤオ氏。

1985年に実際に起きた「八仙飯店一家殺害事件」をベースにした作品。

ギャンブルの金のやり取りを反故にされたことに逆上して、その一家を殺し、さらには雇った従業員も雑に殺します。

(実際の事件では、本当に人肉を料理して客に食べさせていたかは不明らしい)

この映画、神戸連続殺傷事件が起こった当時、犯人が好んで見ていたという話があって、あの少年Aと同世代の私は「借りて見たいけど親がめっちゃ心配するやろな…」と手を出せずにいました。

2000年にはバトル・ロワイアルが公開されて日本のレーティングも厳しくなり、あっと言う間に20年近く放置しておりました。

 

映画の作りとしては正直面白いとはいえませんが、

スプラッタファンは古典として見るべき作品なのでしょう。

確かに14歳だか15歳だかでコレを見ちゃったら、良い影響はなさそうです。

 

犯人が殺人を犯すシーンはもちろん「うえぇー」と思うんですが、(特に女性従業員が殺されるシーンはもうホントやだ)

事件を捜査する警察の面々もなかなかで。

80年代〜90年代の香港映画にありがちな、間の抜けたつまんない冗談をずっと言っていて真剣味に欠けていてこっちの気持ちが悪いし、

そうかと思えば犯人を捕まえた後も殴るわ変なおクスリを打つわ、違法な取り調べをしてまたイヤーな気持ちに。

(警察のシーンは1.5倍速で見ていたことは内緒ですよ)

 

結果、ずーっと不快な気持ちを味わえる映画でした。

仕事が雑なんだよなあ…殺し方が野蛮だ(´-`;)

殺人自体、野蛮なんですが。。

 

犯人役のアンソニー・ウォンさんは、これ以降こういう猟奇的な人間の役がいっぱい来たようです。

イギリス人のお父さんと中国系のお母さんのハーフとのことで、だから何となく人を惹きつけるような、でも何考えてるか分からなくて怖いような魅力があるのかなあと思いました。

目鼻立ちがはっきりしてるから目をひん剥いて襲いかかってくるのが怖い…

ハムナプトラ3の将軍役だったらしい…うーん、思い出せない  (*ω*)

ボデー透明おじさんフロムジャパン

2011年公開、146分。園子温監督の代表作と言って良い作品。

(ご本人は「冷たい熱帯魚の人だ」みたいに言われるのが不本意らしい。SWITCHインタビューで言ってた)

 1993年に起こった埼玉愛犬家連続殺人事件がベースとなっています。

 

とにかくでんでんさんが怖い

なんかこういう、変にテンション高くて声が大きくて、嘘かホントか分からない話ばっかりして、変に羽振り良さそうな人っていますよね。

もう見事にでんでんさんが演じてて。

妙に舌ったらずというか滑舌が良い方じゃないのがさらにリアルというか。

 

このあと朝ドラ「あまちゃん」に漁協のおじさん役で出演なさってるんですが、もうアキちゃんが何かされちゃうんじゃないかとドキドキしたりしてました。

(塩見三省さんも、琥珀磨いてたけどあれはどこかで人を殺めて服役してた過去があるな…と思ったり。完全にアウトレイジの影響)

 

ヤバいことに巻き込む匠

村田は今までも複数の人間を共犯に引きずりこみ、殺人をしてきた匠。なので手口も鮮やかです。

 

万引きをした娘を迎えに行って、それを見ていた村田が助ける。

そこで意気投合。(というか完全に村田のペースに乗せられてしまう)

「今から私の熱帯魚店を見に来ませんか〜?」と誘う村田は、ミツコちゃんフェラーリ乗ってみたいだろう、と村田の嫁を社本の車に乗せ、ミツコを自分の車に乗せる。

(気が変わったので帰ります、が出来ない状況にする)

…これだけで、観客は「あ〜〜もうヤバい人に関わっちゃったぞ…」と思わされてしまう。見事な流れだと思います。

 

その後も随所で「嫁と娘のこと考えろ」と脅して逃げられないようにからめ取っていきます。

 

ノールック殺人、カッコいい

そして、第一の殺人で完全にもってかれる。

(村田は「こいつで59人目だぁ」と言うけど)

栄養ドリンクを飲んで、カハッ…水を…となってる吉田に「社本さん、ペットボトル取ってあげて」と水を渡させる。

その水を吉田が一口飲むのを見届けると豹変、「いいよ、もうほっとけ」と一言。

あ〜〜シビれるー!社本に水渡させたのも共犯という感じを出すためなんでしょ〜〜!直前に子どもの様子見に行かせたのも共犯に引きずりこむためなんでしょ〜〜!

そして大演説。ノールック殺人完遂です。

「ボディーを透明にする」は名言ですね。

 

尺としては2時間半くらいとけっこうなボリュームなんですが、全然そんなこと感じさせないくらいの面白さ。

プライム会員でいる今は気が向くと何回も好きなシーン見てます。

「今日やることは~!今日やる~~!」って(ハッスルハッスルの動きで)おどけるでんでんさんとか笑

ただのスプラッタではなく、心理的な恐怖もあるし(こっちがメインかも)

父性が失われた家族の悲しさとか、しっかり内容の濃い映画でした。

 

今夜のホラー考まとめ

格ゲーなら人肉饅頭おじさんを使うけど(戦闘力的に)本当はでんでんさんの方が好きだな