「ジョン・ゲイシー」殺人ピエロのあれこれ(映画や関連書籍など)
「IT」のモデルになった殺人鬼、ジョン・ウェイン・ゲイシー。
ピエロ恐怖症が彼のせいで増えたそうですね。私もピエロ怖いです。
(ITはラストがあんな感じなのでそんなに怖くなく見れますが)
小学生だった私に、なぜか父が当時話題になってた「マーダーケースブック」を買い与えてくれたもんだから、ゲイシーのピエロ姿の自画像を見て恐怖症になったのかもしれない。
その当時見た悪夢で今でも覚えてるのが「マクドナルドのドナルドがなぜか自宅のキッチンでトカゲを炒めている」というもの。
あ〜こわいよー!
そんなゲイシー熱が再燃(?)して、映画と本とを読みました。
Vシネなん?映画「ジョン・ゲイシー」
ゲイシーの犯行の様子と、捕まるまでを描いた作品。
2003年米公開。
ゲイシーは少年を殺害しては地下に埋めている殺人鬼なんですが、そこまでグロ表現はありません。
でも、執拗に「虫、湧いてるよ!」っていうカットが入ります。虫嫌いの人は恐ろしい映画になるのかも?
でもうじ虫が節のあるちょっと茶色いツヤのあるヤツだから私としてはそんなにこなかったです。
うじ虫って、白くて柔らかそうなヤツが大量にウネウネしてる方がゾッとします。
でもまあ、自分が寝起きする家の下に死体を並べて埋めとくなんて普通の神経じゃないよなあ…
くさそうなのが良く伝わる映画でした。
太ってて、実業家で、コミュ力もあって、ピエロの格好で子どもを喜ばせるのが好きな陽気な男…という感じがあんまり出てなかったのが残念。
変態っぽさの描写はけっこう私のイメージに合っていました。が、自分の蛮行に対し自分で苦悩するようなシーンがあって、そこは解釈の違いだけど…どうなんだろうと思いました。
実際の話だと、ゲイシーは裁判では「ジャック」という別人格が行なったことだと主張したのですがどうもそうには思えない…。
この映画と「実話に基づくフィクションです」って冒頭にテロップが出るのだから「ゲイシー=ヤバイ変態モンスター」っていうホラーに振り切っても良かったなあと思ったりしました。
平山夢明「異常快楽殺人」
ゲイシーだけでなく、ヘンリー・ルーカスやジェフリー・ダーマーなど名だたるシリアルキラーを紹介している本。
表紙におっぱい写真が使われていて非常に手に取りにくい本です。アマゾンがある時代で良かったよ…(´-`;)
ホラー小説や実話怪談の文筆家である平山氏の本を読むのは初めてでしたが、淡々としたルポ調の文章のなかに、見てきたんかい!っていうような臨場感のある描写が入ったりしてなかなかに食欲減退効果のあるものでした。
ジェイソン・モス「連続殺人犯の心理分析」映画版の日本語化希望ー!
刑務所に入っている連続殺人犯に手紙を書いて、ペンフレンドになろう!という試みをマジでやってしまった男の子の本。
ゲイシーと電話したり、ついには刑務所に会いに行って怖い目に遭ってしまう…っていう、そこらのヌルいホラー映画より怖い話です。
ゲイシーが食いつきそうな「ゲイの青年(ゲイシーにとって理想的な犠牲者)」を演じるため、男娼にインタビューをしてゲイの世界を勉強したりと、研究熱心なモス。
「本当はそんな興味ないけど」とか、文の端々に出てくる自己防衛がすごい(笑)その辺がティーンエイジャー感があって可愛い。
怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。
ていうニーチェの言葉がありますが、だいたい深淵をのぞきに行こうって時点で深淵に引っ張られているんでしょうなあ。
なんかシリアルキラーに憧れてるっぽいニオイも文章からしてくるのです。
2006年、モスは自らの命を断ってしまうのですが、
自殺に関する言及がゲイシーの手紙の中にあります。
それがモスの未来を予見していたのかも(あるいは、ゲイシーがかけた呪いかも)…と恐ろしいのです。
「ジェイソン、聖書では自殺を戒めているが、やっていいときもあるんだよ。君の生活は、いつかどん底にぶち当たる。だから、その時機がくれば、何をすればいいか分かるし、どうやればいいかも分かるさ」
p109
この本を原作とした映画も向こうで作られているようです。日本語化されていないんですが、DVDは出ているみたい。
見たいなぁ(´Д`)
今夜のホラー考まとめ
私の中での最恐はピエロかもしれない