今夜もぼちぼちホラー考

今夜もぼちぼちホラー考

ホラージャンルの映画やドラマ、小説や怪談話など、「怖い」を自分なりに考えるブログです。ネタバレせずに書く自信ありません、ごめんなさい。落書きも劣悪でごめんなさい。

「アイアムアヒーロー」マンガの実写映画化、なのに大満足って…すごい!

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レンタル開始になったのでさっそく見ました。

子どもがいると劇場に行けないのが悲しい。。

行けたところでレイティング+15なので子どもと入れない(´-`;)

ちなみに、原作漫画はけっこう好きです。

監督は佐藤信介氏。「GANTZ」の監督さんなので見るのがちょっと怖かった。

 

 

あらすじ

鈴木英雄(大泉洋)35歳。職業:漫画家アシスタント。彼女とは破局寸前。
そんな平凡な毎日が、ある日突然、終わりを告げる…。徹夜仕事を終えアパートに戻った英雄の目に映ったのは、彼女の「異形」の姿。一瞬にして世界は崩壊し、姿を変えて行く。謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体『ZQN(ゾキュン)』で街は溢れ、日本中は感染パニックに陥る。標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山に向かう英雄。その道中で出会った女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師・藪(長澤まさみ)と共に生き残りを賭けた極限のサバイバルが始まった…。果たして彼らは、この変わり果てた日本で生き延びることが出来るのか。そして、英雄は、ただの英雄(ひでお)から本当の英雄(ヒーロー)になれるのか!?

引用元:映画『アイアムアヒーロー』公式サイト

 

ZQN見るだけでほくほく

見る前は「邦画であのZQNを再現できるの?ガッカリしそうだわー」と思ってました。

エキストラの数もどうせ少なくてパンデミック感出せないでしょうよ、とか。

杞憂でした。主人公が初めてZQNと相見えるシーンからフルスロットル。

あの造形はきっと原作好きの方でも満足のいく出来!

頭やアゴなど、実物を欠損させる訳にはいかない部分も、グリーンを貼って撮影してあとから欠損部分を合成して表現しているそうで、あれのおかげで「もう人間じゃない感」がどのZQNからもバッチリ出ていました。

洋画が開発したゾンビとはまた別の軸をひとつ作ったのではないかと思われます。

しかもZQNのバリエも数も豊富で日本ゾンビ映画にありがちな画のさみしさは全然感じませんでした。

しっかりグロい。ぐちょ!でろーん!死屍累々!

(こういうのゴア表現と言うって初めて知りました)

 

ゾンビ映画として上質

ゾンビ映画好きを満足させる「あるある」も、きちっと押さえているあたり、私はクゥーッときました。

「あのZQN、わたしのカミさんなんです」とか。

噛まれて「普通に痛えよー!」とか。

原作にはなかったキャラ「あべさん」。まさに彼はゾンビ映画の登場人物という感じで私は好きでした。

 

ZQNがなぜ発生したのか、とか

ヒロミちゃんの説明が足りない、とか

英雄がヒロミちゃんを守る動機づけが薄い…とか、

ラストはどうなのよ、とか

もう全然そんなの私は気になりませんでした。

ゾンビ映画ってその辺けっこうボヤっとしてて、とにかく人間が人間じゃなくなる怖さとか悲しさとか滑稽さとか、生き残った人間たちのドラマとかをひたすら楽しむものなんじゃないかと思います。

そういう意味で映画版アイアムアヒーローはおおむね成功していると思う。

ドラングドラゴンの塚っちゃん演じる三谷なんかは映画版の方が良い気がします。塚っちゃん演技力あるなあ。

でも、原作が一番と思っている方は(原作はただのゾンビモノにとどまらない魅力があり、それが好きな人は)ストーリーは見ないで、ZQNがいかにうまく映像化されているか確認するだけでも価値ありかと

 

ラストに至るZQNの嵐と英雄の覚醒はタランティーノ監督「デスプルーフ」のラストの爽快感に似たものがありました。

 

韓国ロケをして、建設中の高速道路を使って派手なカーアクションをしたり、廃業したアウトレットを使ったりと、今までの邦画になかった豪華な舞台なのも見どころ。

スタジオにセット組んでスモーク焚いて…とやってるのとやっぱり違うんだなあと素人ながらに見てて感動しました。

 

ライティングもけっこう効いてて緊張感あったりカッコよかったり。印象に残るシーンいっぱいありました。

それってきっと、ワンシーンワンシーンとってもこだわってるって事のあらわれなんだろうなと思いました。

イラストは私の中のハイライト。

これも一つのヒーロー像です。(英雄くん関係ない笑)

 

今夜のホラー考

ゾンビの造形はまだまだ頭打ちじゃなかった!