今夜もぼちぼちホラー考

今夜もぼちぼちホラー考

ホラージャンルの映画やドラマ、小説や怪談話など、「怖い」を自分なりに考えるブログです。ネタバレせずに書く自信ありません、ごめんなさい。落書きも劣悪でごめんなさい。

「ハウンター」今回ナタリが作った迷宮は同じ一日の無限ループだぞ!

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「CUBE」の鬼才ヴィンチェンゾ・ナタリが放つSFサスペンスの新境地!だということで見てみた感想です。
2013年カナダ公開、96分。
 
原題もHAUNTRです。
意味調べると、hauntに色々意味があって、「幽霊のように出没する」とか「取り憑く」「つきまとう」「巣食う」とか。hauntedと形容詞になるとホーンテッドマンションの「ホーンテッド」になるようです。
ということで「巣食ってるやつ」みたいな意味かなあ。
 

あらすじ

霧の深いある朝、リサは奇妙なことに気づく。朝から昨日と同じ事の繰り返しなのだ。トランシーバーから響く弟のモーニングコール、母の作る食事のメニューに、調子の悪い洗濯機。そしてガレージで車を修理する父。何から何まで昨日と同じなのだ。そして彼女は、自分が16歳の誕生日の前日を毎日繰り返し過ごしていることに気が付く。しかし、庭の外に出ようにも、なぜか外に出られない。一体何が起きているのか?彼女が家中を調べ始めると、その家に住む“もう一人の少女"の存在に気が付き、ある驚愕の真実にたどり着く。しかしそれは、少女の孤独な戦いの始まりに過ぎなかった…

引用元:Amazon CAPTCHA

96分、サクッと見られると思ったら

時間的にはサクッと見られるんですが、ナタリ監督のお家芸である「これどういう状況なんや…」「これからどうなっていくんや…」「こいつどういうキャラなんや…」が全て謎のままスタートして、謎のまま、また次の謎も出て…と結局アタマがギューッとしぼられるような感覚になりました。
だけど置いてけぼりにされるという感じはなくて、登場人物の着ている服や部屋のポスターや、弟がプレイしているゲーム、登場人物が見ているテレビ番組…など、あらゆる所からヒントを得ようとこちらも能動的になります。
そしたら、途中からゴロンゴロンと話が展開していってあれよあれよの96分。
監督がお上手なんだろうなあと思います。
 

ホラーとしてのキモも要所要所でしっかりおさえている

子どもの頃は、家の中に怖い事っていっぱいありました。
トイレはもちろん、夜の廊下とか、お風呂の鏡とか。
場所だけじゃなく、父や母が、本当は宇宙人なんじゃないかとか。
宇宙人じゃなくても、ただケンカしてるだけでも顔が全く普段と違っていて、それだけで怖い。
その辺の恐ろしさをしっかり怖く見せてくれるので、手法は古典的だったりするのにけっこう精神的にきます。
 
扉の向こう側には何があるのか分からない、でも行かなきゃ、でゆっく〜〜り扉を開ける。
そんな王道のホラー的映像で怖がらそうとしてて、ちゃんと怖いんです。
バナナで滑って転んで笑かそうってくらい度胸と技量がないとできないことだと思います。言いすぎかも笑?
 

主演のアビゲイル・ブレスリンがかわいくて!

ちょっとだけプクッとしていて、いかにも10代の若さとパワーが内側にありそうな見た目のアビゲイル・ブレスリン。
かわいいだけじゃなくて演技力があって芸達者だなあと思ってボーッと見てましたが
シャマラン監督「サイン」の妹ちゃんと
「ゾンビランド」の妹ちゃんと
同一人物だったなんて!全然気付きませんでした(´-`;)
なんかすぐ大人になっちゃうんだなあ…。
か弱い少女がなぜか後半強靭なメンタルになって頑張るという、ド直球なホラー主人公を見事に演じていました。
 
クリムゾンピークもパンズラビリンスもそうでした。
少女が大人の女になる、通過儀礼の暗示みたいな話っておとぎ話の頃からずーっとあるんだろうなあ。
 
CUBEと比べるとサスペンス感は弱いですが、息が詰まるような閉塞感、緊張感はCUBEに似て独特です。
ウィキペディアを改めて読んでいたら、CUBEは監督が28歳の時の作品なんですね!すごい。
ドラマ版「ハンニバル」のシーズン2、3の数話についても監督している事も初めて知りました。
シーズン1だけ見て止まってたので、見てみたい。
 
この映画、アマゾンプライムビデオで見つけたんですが、こんな良作全く知らなかった…話題になってたんでしょうか。
全然アンテナ張れてないなあ(-_-)
 

今夜のホラー考まとめ

ナタリがホラーを作るとナタリ味になる。これぞ個性