「クリムゾン・ピーク」美しいゴシックホラー復権
監督はギレルモ・デル・トロ。2015年公開。
デル・トロ氏は「パシフィック・リム」で知ったというようなニワカなんですけれども、その氏の手がけるゴシックホラーということで観てみました。
BDをレンタルです。
あらすじ
物語の舞台は20世紀初頭のアメリカ。
霊感のある実業家の娘イーディスが、なんか怪しくも魅力的な準伯爵の英国人トーマスと恋に落ちて嫁いでみたら、お城がホーンテッドマンションなんですけど〜、そしてトーマスのお姉さんルシールが怖いんですけど〜、というお話。
ザックリしすぎで申し訳ないですが、まあこんな感じのおとぎ話にも思えるような物語です。
ちなみに話はとびますが、19世紀末あたりというとイギリスでは切り裂きジャックが大活躍?しているんですよね。
由貴香織里さんの漫画「伯爵カイン」シリーズを中学時代読み耽っていた身としてはこういったビクトリア時代の豪華で耽美でダークな世界観に酔えました。
美術がすごい
セットも、衣装も本当にいちいち美しくて、その映像を見るだけでも価値ありだと思います。
物語の後半で登場人物たちが住まう城は3階建てのセットをまるまる建築したそう。
作中、廊下のシーンが何度も出てくるんですが、廊下の柱にも装飾的な彫刻を施して見る者の焦点をずらし、原因不明の不安な気持ちを煽る…など細部までこだわりが(特典映像より)。
古き良きゴシックホラーが現代の技術でさらに美しい映像体験となった!という感じです。
なので、「おばけバーン!キャーー!」「血ドバーッ!」みたいな刺激の強い現代ホラー至上主義の人は物足りなく感じてしまうかも。。
幽霊に怖さを求めると拍子抜けします。怖がりの私でも平気でした。
対して、ジェシカ・チャステイン演じるルシールが怖い。
生きている人間のはずなのに血の通ってないような目でこっちを見てくる。目の奥にはものすごい黒いものが渦巻いているような気もする…。
陳腐ですが「生きてる人間のほうがよっぽど怖い」んですね。
お話は、ゴシックロマンス的な展開にもなっていきます。この辺も由貴香織里ファンなら「あ〜良いわあ〜〜この感じ良いわぁ〜〜」
となるはず。
レンタル版のBDにもメイキングや出演者の対談が入っているのはとっても嬉しいです。
この映画をご覧になって映像の美しさに心打たれた方は特典映像、おすすめです。
今夜のホラー考まとめ
一番怖いのはデル・トロ監督の多彩さ。